第9章 他をあたってください!!
ちょうどローが自室に入ろうとした時、カナエの目がうっすら空いている事に気がついた。
「起きたか?」
『……』
まだ寝惚けている様だ。
「おい。」
『………………………………ローは優しいね。』
「…………っっっ!!??」
『ぐー』
何だ今のは!
突然、名前で呼ばれた事にも驚いたローだったが、優しい……とは。
残忍と冷酷さで世間に知れ渡っている自分に優しいなんて言う人間はいない。
「何なんだコイツは……」
思いがけない言葉に戸惑いながらも、カナエをベッドに寝かせた。
「首の傷…ガーゼ取り換えておくか…」
警戒して自分がつけてしまった傷を思い出した。
つなぎのジッパーを少しおろすと、首元が露になる。
「細ェ首だな……」
ローは無意識にカナエの首筋を指でなぞる。
「…………」
感触の良い肌に、もっと触れてみたいという衝動に駆られた。
ローはつなぎのジッパーを腰の辺りまでおろす。カナエは中にキャミソールを着ていたが……
「!」
こちらの世界に来る前、シャワーを浴びた直後だった為カナエはブラをしていない。分厚いつなぎの上からでは気が付かなかった。
「ちっちェな……」
しかし触れてみたい気持ちは、もう押さえられそうに無い。ローは何の迷いも無くカナエの胸の膨らみに手を置いた。
ローの大きな手では収まってしまうサイズ。しかし柔らかく、触り心地が良い。
もっと。
もっと。
もっと触れたい。
ローは胸の突起を口に含んだ。