• テキストサイズ

例のイケメンは凶暴な男。【ONE PIECE 】

第37章 嫌だなぁ。


変わってないね、とモトキは体を寄せてきた。

「ルフィが何をするのかは気になるけど、喋ると帰っちゃうんだよね。」

うーん、とモトキは目を閉じて、何か考え事をしているようだ。

それにしても、ちょっと近いぞ。もう少し離れてくれ……。

「だったら教えてくれなくて良いや。」

良いんかい。

にっこりと微笑む男にカナエは呆気に取られた。
ルフィは物語の主人公だ。彼が現れたと言うことは、ドフラミンゴと対峙するであろう事がモトキにも容易に想像できる筈。

『心配じゃないの?ドフラミンゴの事。』

「ルフィは最強のヒーローかもしれないけど、若様が負けるとは思えないよ。何も心配する必要は無いんじゃない?」

その考えを覆してやりたいが、ここで反論してはモトキがルフィを狙って飛び出して行ってしまうかもしれない。
ルフィの強さを切々と語りたい気持ちをグッと堪え、カナエは口を真一文字に結んでいる。

「それよりさ」

モトキが指先で首筋に触れてきた。
背中がゾクリとする。
この展開は間違いなく……

「早くエッチしよ。」

げぇ、来た……。

『も、もうちょっと話そうよ。昔の思い出話とかさ、しようよ。』

「そんなの、気持ち良くなった後でも出来るでしょ?」

唇が近づいてきた。思わず後退りする。

いよいよ事態を避けられなくなってきた。
受け入れるしかないのか。
できれば逃げたい。
このヤりたいだけの男の股間を蹴り飛ばしてやりたい。

でも、まだだ。

町ではまだ何も始まっていない。
今は、この男をしっかりと掴まえておかなければ。

『あのっ、でも!まだシェリー酒が残ってるから!もったいない!』

こうなったら、目の前のシェリー酒を一気飲みしよう。酔っ払って記憶がぶっ飛んだ方が気が楽だ。

「後でも飲めるでしょ。こっちおいで。良いもの見せてあげるから。」

『え、ちょっと、待っ……』

さ、酒が遠ざかる……。

手を引かれ連れていかれたのは二階にある寝室。
ドン!と広い部屋の真ん中に丸い形をした大きなベットがある。シーツは燃えるように赤く、シルクのように輝いていた。

いつの時代のラブホだよ……。

「いい感じでしょ。特注したんだ。」

15年も前にこちらの世界に来たモトキ。
感覚が少し古くさいようだ。
/ 240ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp