第35章 やるしかない。
うーん。どうしたもんか……。
「お料理………
お待たせしたとかしないとか!!」
「わー待ってたぞー!!」
カナエは悩んでいた。
今いるのは、ドレスローザ港町“ アカシア ”。
町に漂う、この国自慢の料理の香りに誘われてやってきた。
一緒にいるのは、錦えもん、フランキー、サンジ、ゾロ、ルフィ。
仲良く皆でレストランに入って、食事が始まったところ。店員である意思を持ったおもちゃが、次々と料理を運んできた。
「騒がしいのはルーレットか」
「子悪党共が盲目のおっさんから、金をむしり取ってる」
このメンバーに同行してしまったからには、
人造悪魔の実を製造している工場破壊か、カン十郎を救出するか、どちらかに参加する事になるのだろうか。
ルフィと一緒にコロシアム行きも考えられる。
美味しいものを食べられる事で頭がいっぱいで、この先の事を何も考えずに来てしまった。どうしたもんか。
(サンジが誘ってくれたの……。誘ってくれたんですよ。そりゃあ行くでしょうよ……。皆さん、ごめんなさい。)
カナエが誰に謝っているかは不明だ。
「白じゃん。おっさん勝ちだな!!」
「よく見やがれ黒だよバカ野郎!!!余計な口出しすんな!!!」
「また首を突っ込む………」
ドレスローザでの自分の居るべき場所はどこなのか、色々考えてはいた。
だが、どうしても悲惨な結果しか思い浮かばない。
ローに同行すれば、シーザー引き渡し場所のグリーンビットに到着する前に、闘魚の餌となるに決まっている。
サニー号に隠れてジッとしていようかとも思った。
しかし、見つからなかったとしても、船全体が理解しがたい芸術作品のようになってしまうのであれば、どこにいても結果は同じ。
勿論、今一緒にいる彼らの誰に同行しても危険にはかわりない。
「え~~!!?何だあいつァーー!!!何をしたァ~~!!?」
「すげー穴があいた」
もう身の安全は諦めて、
ここにいないトミダに成り代わり、彼らがおかしな行動を取らないように見張っておこう。
足手まといになるのは明らかだが、しょうがない。鬱陶しがられても、世界の歴史が変わるよりかはマシだ。
曲者ぞろいのこの面子を、自分ごときがサポートできるかどうかは疑問だが。
「 " 能力者 " ………」
「何の能力だコリャ」