第33章 サニー号。
「これはまた、乙な味でござるのう!」
目の前の席では、錦えもんとピンクの竜の姿をしたモモの助が、生まれて初めて食べるサンドイッチを堪能していた。
錦えもんの巨体、モモの助の竜の姿。
漫画で見た通りで、どちらも現実とは思えない風貌だ。
しかし、それよりも視線が行ってしまうのは
二人の後方で、並んで座っているロビンとフランキー。
ロビンは紅茶を飲みながら、フランキーは口のまわりについたマヨネーズを舐めながら、
とても和やかに談笑していた。
他の船員達の様に騒がしくは無く、
アダルトチームらしい雰囲気だ。
(フランキーの構造も気になるけど……
ロビンは何て美しいんだ……!!)
艶やかな漆黒の髪。筋の通った高い鼻。
大きな黒目が印象的な瞳は、見ていると吸い込まれてしまいそう。
カナエのすぐ左隣では、ナミが食後の紅茶を飲んでいた。
シャボンディ諸島の時とは比にならない程の至近距離。
目はパッチリ二重。
長いまつ毛は、髪の毛と同じオレンジ色。
健康的な色の肌は、絹のように滑らかそうで艶がある。
(この可愛さの破壊力!私の心臓を爆破する気か!!)
二人とも胸元が大きく空いた服に、ベリーショートパンツを履いている。
肉付きは女性らしくしなやかなのに
太股も二の腕もウエストも、全てが引き締まっていて
男で無くとも見惚れてしまう程の妖艶さだ。
(巨乳に触りたい……じゃなくて、同じ女ですいません……。)
よだれが止まらない。
平静を装う為に、見慣れたローへ顔を向けると、彼の向こう側にはウソップがいた。
(は…………鼻が……!!)
本当に長い。
まずは鼻に目がいってしまいがちだが、
嘘やはったりを口にしても、それを真実に導く行動力と勇気。
人を思いやる優しい心と、常人の感覚。
(結婚するならウソップ!)
アラサー女子のカナエが思うのは、
結婚は刺激よりも安泰だ。
でも、やっぱり目が追ってしまうのはイケメン。
ウソップの前の席では、食事を終えたゾロがコーヒーを啜っていた。
その横では、サンジが彼に何やらいちゃもんを付けている。