第7章 しっかり働け。
「あとは部屋をどうするかだな……俺達と一緒ってわけにもいかねェしな。」
『私、倉庫とかで充分だよ。』
部屋まで与えられるなんて、至れり尽くせりだ。贅沢は言えない。
「そんなに遠慮するなよ。確か、船長室の横に空部屋があったな……狭いけどいいか?」
『問題無し!ありがとう!』
「じゃあ、一通り決まったな。部屋の事は、
一応船長に報告しに行くか。隣だからな。」
二人は船長室に向かった。
「仕事は出来そうか?」
『はい。ペンギンくんのおかげで何とかなりそうです。』
「船長、カナエの部屋なんですけど、ここの隣が空いてたんでそこで良いですか?」
「あァ……構わねェが、騒ぐんじゃねェぞ」
『一人で騒ぎませんよ……』
どんな女だ、私は。
「足りねェ物は次の島で買うといい。」
『え……でもお金持ってません。』
「俺が出してやるよ。金には困ってねェから、遠慮するな。」
『…………神!!』
「何言ってんだ……まァ、とにかく他の奴らの邪魔にならない様にしっかり働け。チビ女。」
ローは口角をつり上げ、完全に見下した態度で言った。
(今度はチビかコノヤロー!!!)
『言われなくても、しっかりやります。』
「そうか。頑張れよ。」
(いじるのか、優しくするのかどっちかにして下さい……)
カナエはどっと疲れた。
その日の夜は、カナエの歓迎会として、ささやかな宴が開かれる事になった。