第7章 しっかり働け。
カナエは、船に乗せてもらうだけでは申し訳なく思い、何か出来る事はないか聞いたところ、ローに操舵室に連れてこられた。
(本物の操舵室……ってか潜水艇なんて初体験!!格好いい!!!)
大人な女性のはずのカナエは、少年の様に目を輝かせている。これも、年相応に見えない一因である。
「ペンギンは居るか。」
「はい。ここです。」
(あ!帽子にペンギンって書いてある!漫画の通り!喋ってるのはあまり記憶に無いかも…)
カナエは失礼だった。
「お!あんたが噂の女か。」
『はい。カナエです。宜しくお願いします。』
「シャチの言ってた通りちっちェな!確かに年上には見えねェ。」
カナエは頭をポンポンされている。完全に子供扱いだ。
(あんた達がデカ過ぎるんだよ…)
ワンピースの平均身長は高い。
「こいつは暫く船に居てもらう。何もしねェのも嫌だっつーから、何か仕事を与えてやれ。」
「りょーかい。カナエ、何が出来る?」
『えーっと………』
ヤバい。
何も無い。
海図なんて読めないし、機械いじりも出来ない。料理も全然得意じゃない。自分のスキルの無さにカナエは落ち込んだ。
『掃除洗濯ぐらいでしたら……』
仕事が欲しいと自分から言ったのに。
情けない。
「ホントか!?この船、雑な奴ばっかだから助かるよ!ね。船長。」
「そうだな。」
カナエの仕事が決まった。