第6章 お世話になります。
「早く持ち場に戻れ。うるせェんだよ」
「はい!船長!……もう襲っちゃダメですよ?」
「……俺はてめェら程、女に飢えてねェよ」
「船長はモテモテですもんね~!次の島が楽しみだなァ…俺らは女が引っ掛かるかどうか分かんねェけど……」
シャチ達は勝手に落ち込みだした。
(もしかして、島に着く度に女の人に声掛けて色々ヤってんのか……ワンピースにこんな裏事情があったとは……まぁ男だからな……)
「では!持ち場に戻ります!」
船員達は部屋から出て行き、ローと二人きりになった。
(き…気まずい…)
ローは黙々と注射器などの医療器具を片付けている。
(しかし……この先どうするかな…)
元の世界に戻る方法があったとしても、カナエには検討もつかない。このまま船に乗せて貰うのも都合が良い話だ。
(私なんて足手まといにしかならないよな…)
次の島が人が住んでいる島だったら、そこに置いていってもらおう。それまではこの船でお世話になるしかない。
(邪魔かもしれないけど、お願いするしかないな。)
身の振り方は船を降りてから考えよう。
元の世界に特に未練は無い。
こちら側の世界で暮らして行くのも良いかもしれない。
『あの……「おい」
ローはカナエの言葉を遮って話始めた。