第23章 知らない。
パシフィスタは敵がそこに居れば、
後ろに海兵が居ようと構わず光線をぶっ放している。
海軍は手出しができずにいた。
強いと分かっている相手に、皆全力で挑んでいる。
口からも手からも放たれる光線。
それを躱しながら攻撃するも、異常に硬い体には全く効いていない。
「アイヤ~~!!!アイアイ!!」
「「うりゃぁぁぁー!!」」
武術の使い手であるベポ。
ペンギンやシャチも、それに続く。
「チッ……こいつ本当に人間なんだろうな……」
「いったい、何の実の能力だ!?」
ローもキッドも全員、息が上がってきている。
いくら攻撃しても、敵は表情すら変えない。
カナエはその様子を見て思い出した。
『あっ!皆、パシフィスタって事は知らないんだった!!』
その事を教えれば、勝機が見えるかもしれない。
『伝えなきゃ……』
「そうだな………」
『えっ!?』
いつの間にか、隣にダイスケが居た。
カナエと一緒に木の陰に隠れている。
『何してんの!?一緒に戦ってきなさいよ!』
「俺は瞬間移動が出来るだけで…弱いんだ。」
『そこは普通の人間なのか……』
「そうだ。」
くそ。役立たずめ……?いや……そんな事無い!
『ダイスケさん!!』
「!?」
『あれが、パシフィスタって分かってますよね!?皆に教えて来て下さい!!瞬間移動で!!』
「え……怖ェ………」
ブチッ
カナエの何かが音を立てた。
『何言ってんだヘタレ!!お前に原作への愛は無いのか!!さっさと行ってこい!!』
「はっ………はい!!」
ダイスケは消えた。
「何!?本当か!?」
「なるほど……。政府が何を考えているかは知らねェが……弱点は見えたな。」
ダイスケは上手く伝えられた様だ。
外側からの攻撃が効かないのならば、内側を攻撃するしか無い。
口の中を狙うか、体の一部分だけでも破壊する事が出来れば内部への攻撃が可能になる。
「ユースタス屋。その寄せ集めのでけェ手で
とにかくあいつをぶっ飛ばしてろ。」
「言い方は気に食わねェが……まァ良い。
行くぞ!!」
二つの海賊団がパシフィスタへ向かって
一斉に攻撃を仕掛けた。