第22章 何してんの!?
「スズキ、お前のせいなんだろ?なんとかしろよ……アレ………」
『えぇぇ……無理っす……』
「全兵一斉攻撃を開始する!!!海賊共を打ち取れ~~~!!!」
海軍は、今がチャンスだと言わんばかりに攻めこんできた。
「とりあえず!俺達はここに居ちゃまずいから!お前がどうにかしろ!じゃな!」
『えっ!トミダさん行っちゃうの!?』
「あとでそっち行くから!!」
『来るの!?』
トミダは麦わらの一味と、レイリーやハチ、ケイミーを引き連れて行ってしまった。
『ここはっ!「ワンピースは俺が見つけるぞ!!」って!ルフィの台詞が聞けるはずなのに………!!!』
そんな事を気にしている場合では無い。
海軍はすぐそこまで迫って来ている。
「行くぞお前らァ!!!」
「ベポ!」
「アイアイキャプテン!!」
カナエが項垂れていると、ローとキッドは一時休戦。
それぞれの海賊団が海軍と戦っていた。
ローはベポにその場を任せ、一人会場に引き返している。
カナエはその他大勢の船員に抱えられ、その場を離れようとしていた。
「姐さん!早く逃げるッス!!」
『ヒロインである私が二人を止めるべきなのに……お役に立てず申し訳ない……。』
「何言ってるッスか!?」
『ヒロインって歳でもないか………。』
カナエがよく分からない後悔をしている間に、キッド達はもういなくなっていた。
ハートの海賊団も、海軍の追っ手に応戦しながら逃げて行く。
「お前新入りだから俺の下ね!!」
「奴隷でなきゃ何でもいい……」
(おぉ!ジャンバール!いつの間に……でかいな……)
天竜人の奴隷として会場の前にいた、海賊キャプテン・ジャンバール。
この場を離れる前に、ローが会場に戻り、首輪を外して仲間に引き込んだ。
海賊らしい凶悪な顔と、人とは思えない巨体。筋力も凄まじく、島を繋ぐ橋を素手で叩き壊していた。
そのおかげで海軍を足止めする事が出来たようだ。
「船長、海軍に目をつけられたままじゃ明日のコーティングも危ういですね……」
「あァ。一度島を出るしか無ェな……」
(ハートの海賊団はすぐには新世界に入らない……よね。こんな理由もあったのか。)
ほとぼりが冷めるまで、船のコーティングを待つ事にした様だ。
「船長!!アレ……」