第22章 何してんの!?
「何のつもりだ!トラファルガー!!」
「あいつを諦めるつもりは無いんだろ?」
「だったらどうした!」
「さっきは大人しくしてたが、こうなったら
もう関係無ェ。調度良い、ここで消えろ。」
「てめェ……根に持つタイプか。」
「黙れ。インジェクションショット!!」
ローは鞘を投げ捨て、鬼哭をキッドに向けて狙いを定めるようにかまえた。
間合いを一気に詰める。
キッドはそれを紙一重で躱し、熾烈な戦いが始まった。
「船長………マジだな、ありゃあ………」
「どうする?カナエは起きないし………」
「俺達じゃ止められねェよな。」
「おい!!ハートの海賊!」
ペンギンとベポが呑気に話していると、トミダが割り込んできた。
ローとキッドの、始まるはずの無い争いに焦っている。
「いつまでもここに居ちゃマズイだろ!何であの二人は喧嘩してんだよ!」
このままでは大将・黄猿か、バーソロミュー・くまの姿をしたパシフィスタがここに来てしまう。
「何でって……あの二人は恋敵なんだ!」
「はぁ!?」
「キャプテンとキッドはカナエにメロメロなんだよ!ついでにシャチも!」
「おい!!言うな!!」
「メロメロって……これが世に言う……」
『逆ハー状態!?』
「「あ………起きた………」」
「スズキ!気付くのが遅ェよ。」
『すいません。時代に乗り遅れてまして……』
「何言ってんだ……」
カナエは今の状況に目を丸くした。
三船長が共闘してこの場をくぐり抜ける筈が本人達が揉めている。
『ちょっとロー!何してんの!?大将が来ちゃう!』
「気が付いたか。心配しなくても、こいつは直ぐに片付ける。」
「見くびってくれるじゃねェか……リペル!」
海兵達の銃や大砲を、自らの腕に引き寄せていたキッド。それを今度は腕から弾き飛ばした。
金属の塊がローへ向かって飛んで行く。
「俺のROOM の中だと忘れたか。タクト!」
「くっ!!」
ローの指先の動きに合わせ、金属の塊が反転してキッドに向かって飛んで行った。
キッドはすんでの所で避けたが、頬を掠め血筋が伝う。
『いい勝負してる場合じゃないでしょ!!』
二人にカナエの声は聞こえていない。