第22章 何してんの!?
ここに居ては、それぞれが都合が悪い状況だ。
長居するだけ海兵は増えていく。
キッドは先陣を切って、出口に足を向けた。
二人の船長の逆鱗に触れる捨て台詞を吐いて。
「もののついでだ、お前ら助けてやるよ!
表の掃除はしといてやるから安心しな」
カチーン!!
二人の感情が音をたてた。
弱い奴は指をくわえて見ていろと言うのか。
そんなのはプライドが許さない。
ローに関してはカナエの一件もある為、
ブチキレ寸前である。
「ベポ。こいつを頼んだぞ。」
「アイアイ!」
まだ夢を見ているカナエを預けて、ローは二人の船長と会場を出て行った。
「ホンっとにもー!単純なんだから!!」
ナミはルフィに呆れている。
「ルフィはああじゃないとな。」
「トーリ。あのクマに抱かれてる子、知ってるの?」
カナエがハチの為にとった行動がどうしても気になった。
ハチは知らないと言うし、カナエも理由は教えてくれなかった。
何の接点も無いのに助けてくれた。
「へぇ……やるじゃん。あいつ。」
「あの子も異世界の人間なんでしょう?トーリがこの先の事を知ってるのと同じ?」
「ま、そんなとこ。」
「ふーん。そっか。ちゃんとお礼言わなきゃね!」
「ナミは良い子だなぁ~ますます惚れ……」
「こらクソマント!ナミさんに近付くな!
女好き要素かぶってんじゃねェよ!!」
「ごめん!!」
「ベポ!とりあえず外に出るぞ!ここにいてもしょうがねェ!」
「そうだね!カナエ、すぐに目ェ覚ますかなァ。」
船長に取り残された海賊達はこの場から逃れる為、外へ向かった。
会場前では三船長が暴れていて、既に海軍を
一掃している。
ルフィは”ギア3”の影響で小さくなっていた。
「何だそりゃあ麦わら屋………締まらねェなァ………!!」
「そうか?」
「これでひとまず”陣形”もクソもねェだろう」
「さて………」
海軍を見ていたローが、視線を左の方へ移した。
その時、会場の出入口に全員が出て来たが、
ハートの海賊団はローの手の動きに気付く。
「あれ?船長、まだ何かする気か?」
「そろそろ逃げねェと援軍が来るんじゃ……」
「ROOM 」
「あァ!?」
キッドと自分だけを取り囲むように、ローはサークルを広げた。