第22章 何してんの!?
その場にいた全員が、二人に怪訝そうな顔を向けていた時だった。
「しまった!ケイミーちゃんが!!!」
サンジが気付いた。
兄と父をメチャクチャにされた天竜人がケイミーに銃口を向けている。
麦わらの一味の狙いがケイミーだと気付き、殺すつもりのようだ。
それを止めようと全員が戦闘体勢に入ったその時。
「!!!」
天竜人は、いきなり気を失い倒れてしまった。
するとステージ後方の幕がバリバリと破れ、
中からは巨人と、丸い眼鏡をかけた白髪の男が酒を呷りながら出て来た。
「ん?何だ、ちょっと注目を浴びたか」
ふたりは”商品”として、ステージ裏にいた。鍵が無いと外せない首輪も付けていない。
自由になった巨人を、ただの会場の警備兵にどうにかする事は不可能。
全員混乱している。
「『レイリーさーーん!!!』」
カナエとトミダは揃って叫んでいた。
両手を天に掲げ、ハートが飛んでいる。
『トミダさん!来たよ!ダンディ!素敵っ!』
「うおぉぉ!渋いぜレイリー!かっこいいぃ!!」
「お前ら!いつまでもじゃれてんじゃねェ!」
カナエは後ろから腕を掴まれ、ローに引き寄せられた。ローの腕が首に回され、息が出来ない。
『く……苦しい』
「そういえばスズキはハートの海賊団なのか?」
『目が覚めたら潜水艇でした……トミダさんはサニー号に乗ってるんですか?ちゃんと仲間っぽいし………』
「おう!メリー号にも乗ってたぞ!羨ましいか!」
『私の聖域にトミダさんが乗ってるなんて……許せない………!!』
「二人でそんな目で見るな!怖ェよ!」
自分より主役っぽいトミダが気に入らないカナエと、自分よりもカナエと親しそうな男が気に入らないローが睨みを効かせている。
「レ……レイリー」
「おお!!?ハチじゃないか!!?久しぶりだ!」
その頃、旧知の仲の二人は互いの存在に気付いた。しかし、再会を喜ぶ間は無かった。
ハチの怪我を見てレイリーは、ふむふむ……と会場の様子を見渡している。
カナエはその様子を見て、ひとつ疑問が浮かび上がってきた。
『トミダさん……私達って……持ち堪えられるんですかね?』
「俺は麦わらの一味だから大丈夫だけど……お前はどうかな……」
「さて………」