第22章 何してんの!?
「誰なんだ。こいつは。」
『冒頭でチラリと出てきただけなんだけど、名前変換があるから夢主様は気付いていたかもしれない……クロウマンの正体に……』
「スズキ!そんな説明じゃ意味分かんねェよ!」
「こいつに話しかけるな。」
ローは、刀をぐっと更に押し付けた。
トーリの馴れ馴れしい態度に苛立っている。
「痛い!やめて!!話すのも駄目なの!?俺はこいつのお友達!!」
「友達?………………おい。」
『あっ!ごめん!ぼーっとしてた……お友達と言うか……同じ職場の先輩なんだけど……何でここに……』
「じゃあ、こいつも異世界の人間なのか?」
カナエは頷いた。
しかし、こちらの世界へ来た日の朝にトミダは仕事に向かって行った。確かに言葉も交わした筈。
手配書はゾロと一緒に出回ったとベポが言っていた。それはウィスキーピークの100人斬りがきっかけの手配書。
そんなに前から麦わらの一味にいたと言うのか。
「とにかく、刀を退けてくれないかな…怖いんですけど……」
「チッ……まぁ良いだろう。」
トミダはカナエから離れながら、ほっと胸を撫で下ろした。
トラファルガー・ローが何故こんなに自分に敵意を剥き出しにするのか、さっぱり分からない。
「トーリ!何してんだ?ケイミーの首についた爆弾外したらすぐ逃げるぞ!軍艦と大将が来るんだ!」
「悪ィ!」
ルフィが近くまでやって来た。急いでいる様だが、ベポを気にしている。
「海軍ならもう来てるぞ、麦わら屋」
「何だお前………何だそのクマ」
既にオークション会場は取り囲まれていた。
「誰を捕まえたかったかは知らねェが、まさか天竜人がぶっ飛ばされる事態になるとは思わなかったろうな」
「ルフィ、海賊よ、彼」
「………ふふ、面白ェもん見せて貰ったよ、麦わら屋一味」
「クマもか?」
ルフィはやっぱりベポが気になるようだ。
そして、ローの横にいたカナエも気になった。顔を両手で覆い隠し、肩を震わせている。
「こいつは何で泣いてんだ?」
「知らねェ………どうした。」
『トミダさんがどうしてここにいるかなんて………もう、どうでもいい………!!ルフィがこんなに近くに………!!直視できない………!!』
「分かるぞ………!スズキ!でも……慣れるしか無いんだ………!」