第22章 何してんの!?
「ぎゃあああ!!!」
トーリが降り立ったのと同時。
ウソップが天竜人の上に勢い良く落下した。
「あいたたた……げっ!!ごめんおっさん!」
「また罪を重ねたな海賊~!!!イカれてるぞこいつら!!」
船長だけでは無く、一味全員が命知らずのようだ。もう好きにはさせまいと、衛兵は武器を手に攻撃をするが次々と倒されていく。
ドン!!ドン!!
カナエの目の前ではトーリが座席の上に立ち、カービン銃の様な武器を構えていた。
狙いは外さず、一味に迫り来る敵を確実に撃ち倒している。
背丈は、サンジやゾロと同じ位だろうか。
スタイルが良く、ピンと伸びた背筋は品の良さを感じさせた。
持っている銃で、やっぱり顔は見えない。
(誰だ!こんにゃろ!!)
一味にいるはずの無い男の顔が、カナエはどうしても気になり思わずマントを引っ張った。
「うわっ!!」
トーリは当然バランスを崩し、カナエ達の方へ向かって倒れて来た。
「カナエさん!何してんだ!?」
カナエの予測のつかない行動に、ハートの海賊団はまたもや驚きを隠せないでいる。
『痛った………』
トーリはカナエの上に覆い被さるように倒れてしまった。カナエは腰を打ってしまったが、自業自得だ。
「何なんだよ………ぎゃ!!」
トーリが身を起こそうとすると、首筋にはローの刀。
「てめェ……ただで済むと思うなよ……」
人の女の上に乗るとは良い度胸だと、今にも首を斬り落としそうな程の睨みをトーリに向けていた。
「ええェ!?俺が悪いの!?………あ!!
トラファルガー・ローじゃん!すげェイケメン!!」
「あァ!?さっさと退け!!」
トーリは誰かと似ている反応を示した。
ローはそれに気付かなかったが、カナエを見ると口を開けたまま固まっている。
「おい。どうした………」
「えっ!?」
トーリも声を上げると固まってしまった。
両者とも、互いを見て驚いているようだ。
「スズキ!!??」
『トミダさん!!??』
「『ここで何してんの!?』」