第1章 エラー
「君の手料理が食べたいなあ」
彼女がそんなことをつぶやくから。
僕は【軍事用ロボット】だから、したことのない料理に挑戦することになった。
いざやってみると、作業自体は簡単で、すぐに作ることができた。
彼女は配膳など、周りのことを手伝ってくれた。
「さて、いただきまーす!」
元気よく合掌し、僕の作った料理に手をつける彼女。
だんだん表情が綻んで行き、
「おいしい!」
と叫んだ。
頭の中は相変わらずエラー音が響いているが、胸の位置が暖かくなるのを感じた。
「ちょっと鉄が錆びたような、そんな味がするけど…それがいいアクセントでサイコーね!」
それがおいしいのかはわからないが、彼女が喜んでいるので気にならない。