第1章 エラー
君が泣いているのを見た。
いつも笑顔を絶やさない彼女のその表情に、衝撃を受けた。
「どうし、」
声をかけようとして、止まった。
ゴロンと横たわった、もう生命の輝きを失ってしまったものが見えた。
あれは確か、同じ軍の…。
けど、自分が死んだわけでではない。
自分が生きていれば、いいんじゃないのか。
なぜ、彼女が涙を流しているのか、僕には理解ができなかった。
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先に【いつもの場所】に着いた僕は、いつの間にか眠りに入ってしまったようだった。
目が覚めると、エラー音の原因のものが視界に入った。
「起きた!」
彼女の表情は、パァっと明るくなった。
口元は笑いながら、眉間にしわを寄せ、
「君の寝顔って、ちょっと怖いんだね」
と、面白そうに呟いた。
彼女はふと腕につけている時計に目をやり、そうだ、と立ち上がった。
「お昼だ!お腹すいてない?一緒にご飯を作ろうよ!」
そう彼女は言うと、僕を手を取り、楽しそうに駆けた。