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寄せ集め

第1章 エラー



それからというもの、彼女と僕は一緒に過ごすことが増えた。
その度、上官からは暗示のように鋭い言葉を浴びせられる。
恋をしてはいけないぞ、と。

ある日、綺麗な花が咲いている場所を見つけた。
野原だったが、まさかこんなにも戦いが起こっている場所で花が咲いているとは思いもよらなかった。

花に近づき一輪手に取ってみる。
頭に浮かぶは彼女の顔。
気づけば花束を作っていた。

花束を手に、彼女と過ごす【いつもの場所】を目指した。

僕の腕の中を見るや否や、大きな瞳をさらに開き、大変驚いた様子で近づいてきた。

「これ、すごくきれい!どうしたの?」
「…君に、渡したくて」

君の喜ぶ顔が見たいから。

そう言うと、彼女は満開の笑顔になった。

「いいの…?ありがとう!…でも、こんなにはいらないかなあ」

少し困った顔を見せ、2、3輪を手に取り、
「本当嬉しい!これだけ、もらうね」

相変わらずの笑顔でそう言ったのだ。

相変わらず僕は、その笑顔に見惚れていた。


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