第2章 日向/日向家※キスのみ
ピンポーン…
インターホンを鳴らす。
ここは私の家…ではなく
日向くんの家…。
(あああああ!ドキドキする!!!!)
なんせ初めて来るから…。
死ぬほど緊張している。
事の成り行きは昨日の
教室での話に遡る。
「なぁ!名前!!
明日用事あるか?!」
「え?いやぁ…ない、けど?」
「ならさ!俺ん家来ない?!
遊ぼーよ!明日部活なくて暇なんだ!」
いやいやいや…日向くん…
貴重な土曜日の休日…私と遊んでも
楽しくないよ…?
「な!?いいだろ?!」
そんなキラキラとした期待の眼差しを
向けられると、私もポッキリと折れて
しまった。
私の家と日向くんの家は 遠くも
なければ近くもない。
通り道だからよく一緒に帰る…
それだけの仲だったと思っていたが
日向くんは友達だとでも思っているのか…
なんか嬉しい。
私は素直にそう思った。
ドタドタと足音が聞こえ、
ガチャリと鍵が空いた。
「よっ!早かったな!」
ラフな私服の日向くん。
うわぁ…かわいい…!
そう思いつつ お邪魔します と
中に入った。
「ごめん…!
部屋 散らかってっけど…
適当に座ってて!」
そういい、私を部屋に残し
日向くんは飲み物をとりに行った。
「…なんか 男の子って感じだ」
日向くんの部屋は 散らかってる
ほどひどくもなく、少し山積みの雑誌が
目立つかな ぐらいだった。
「お待たせ!」
ガチャッと音がして 扉が開く。
飲み物はオレンジジュースで
ちょっとしたお菓子も持ってきてくれた。
「ごめんな いきなり遊ぼうとか
言ってさ!」
「んーん、構わないよ
何して遊ぼっか?」
笑いつついうと、そーだなぁ…と
悩ましげな顔をする。
考えてなかったんだね
なんて そんな愛らしい日向くんを
見るのが楽しくて楽しくて
しょうがなかった。
ふとポッキーが目に入った。
ポッキー…
「日向くん」
「ん、なんだ?
なんか思いついた?」
キラキラと輝かせる目をみてニコリと
微笑む。
「ポッキーゲームしよ!」
「…えっ!?」
日向くんは顔を真っ赤にした。