第57章 東峰/やってみる?
同じクラスに化け物級の、
巨人がいる。
…化け物だなんて
失礼なのはわかるが…。
(しかしでっかい…)
私はその巨人と、隣の席な訳で…。
まぁ、他愛のないお話を
ほそぼそと話す程度の仲である。
「あ…東峰」
「ん?どーした?」
「消しゴム…とって」
「おぉ、はい」
「ありがと」
彼は優しいし、いい奴だと思う。
「…だからって 私に押し付けられた
雑用を東峰が手伝う必要は…」
「ある! 困った時は
お互い様ってことでさ?」
なにがお互い様だ! バレー部に
戻ったんなら早く
バレーしたくないのか…?
「ね?バレー部行ったら?
やりたいんじゃないの?」
「…まぁ やりたいけど
#苗字と一緒にいたい…なんて」
紙をまとめてホッチキスで
止めつつ、東峰の顔をチラリと見る。
少し驚いた…。
「本気でそんな事思ってるの?」
「まぁ…な」
「…好きなの?私の事」
「おう…」
どんどん顔が赤くなっていくのがわかる。
私は冗談紛いに、
「じゃあ、ヤリたいとか思う?」
と呟いた。東峰は、ビクリと
肩を震わせたが、意を決したように
「襲いたい…と思ってしまった
事はある…かな…」
と言われた。
…え?なんて?
確かに冗談紛いに、とは
言ったが…私はかなり本気だ!←
「えっと…やってみる?」
「はぇ?!」
少し、こちらも気恥しい気分になる。
しかし、東峰は男だ。
やる、ってつまり アレのことで…
つまり 健全な男の子な訳なので…。
「い、いれるの?!
血とかでない?!?!
あ、そこまでしない?!?!」
…ですよね 私が下ですよね…。
私は、椅子もろども東峰を
押し倒す。
「苗字…っ?!」
「上は…! 私だから!!!」
「え、ぇええええ?!?!」
当然、私は上以外考えられない。
「苗字っ!あの!俺っ…」
「私が上じゃ…イヤ?」
「…違くて… や 優しくしてくださいっ!」
…でかいくせに、可愛いなちくしょうっ!