第52章 木兎/赤面彼氏
木兎さんは、かなりの照れ屋だ。
そうは見えない、という人が
ほとんどだと思うが、
カノジョの私が言うのだから
ホントのことだ。
そこで、私はある
作戦に出ようと思う。
名付けて、
「彼氏にドキドキしてもらって
そういう雰囲気に持っていこう!作戦」
だ。
かなりの照れ屋だと言ったが、
照れ屋すぎて、キス以上を
した事がないのだ。
私もそろそろそういう所に
踏み込んでいきたい時期なのだ。
なにがなんでも今日は
したいのである。
私が変態なだけだと思うけど…。
まず 顔を近づけてみよう。
私は、休憩中の木兎さんに
近寄り、横に座った。
周りに人がいなくてラッキーだ。
「んお?名前 どした?」
横を向く木兎さんと、タイミングを
合わせて、グッと顔を近づける。
「?!名前?!」
びっくりして顔を背ける。
次は触れてみよう。
「木兎さん、顔合わせてくださいよ」
グイッと顔をこちらに向けさせると、
さらに近くなって、木兎さんは
真っ赤になった。
「ななななな?! うぅ…
はずかしい…」
目をそらす木兎さんに、今度は
キスをした。
周りに人がいるのを私は
すっかり忘れていた。
「んな!?名前!!
いま、人ッが!!」
耳まで真っ赤な木兎さんに、
小声で囁く。
「私としてくれませんか?」
グッと 唇を噛み締めた
木兎さんは、やがて首を
縦にふった。
*
「名前…あの…
ホントにするの?」
誰もいなくなった更衣室に
声が響いた不安げな問いかけに、
木兎さんを見やる。
(仕方ないか…)
「とりあえず 今日は
ヌくだけにしましょうか」
私は、木兎さんを押し倒すと
軽くキスをした。
「っ…ヌくって…その
舐めるなよ?」
「ダメなんですか?」
「ダメ!今日は弄るだけ!」
舐めるき満々だったが
仕方が無い。
ズボンを下ろすと、やんわりと
ブツを掴み、擦る。
「ん んぁ ああ」
まだ弄り始めたばかりなのに、
ありえないほどに
よくきいていた。
「名前…んっ 上手くない?」
これは初めてだけど、
恥ずかしながら私だって
勉強している。
(やっぱり気持ちいいんだ…)
少し気恥ずかしくなって、
やんわりだったのを
しっかり掴んで擦ってみる。