第1章 カラ松
『………ひぁっ。』
ある一点を突かれた時
今までにない喘ぎを出した。
ビリッと痺れるような刺激
だめ…そこ、突いちゃ…。
『はは…ここか。ここが好きか?』
『ひぃぁっ…やだぁ…やだやだぁっ』
ぐちゅ…カラ松兄ちゃんのモノが
奥ってくる度に響く音。
ぬちゅぬちゅ…抜かれる度に
溢れ出る蜜の音。
『ぁひ…、ぁ…ぁっ…。』
鼓動が早まる、息が続かなくて
胸を上下させて息を求める。
『苦しいか…?』
『んぅ、…ぁぅ…カハッ』
『だが…お前のここはヒクついて
俺を求めるかの様だ…ははっ、』
『ぁぃ、…兄ちゃ…兄ちゃ…。』
押される度に押し出される声
それが卑猥な音と成す。
カラ松兄ちゃんは楽しむかの様に
腰を振り続ける。
『お前はっ…俺のっ…。』
まるで言い聞かせるような口調。
私の体の中から教え込む動作で
快楽で手懐けようとしている。
『ぁ、…っ、ひ、くっ…。』
動けない…じゅぶ…じゅぶと
出し入れされ動こうにも
後ろ手に縛られた手が痛む。
『外し…て、…。』
『ん?なんだ…っ?』
『手ぇ…痛…ぃ……。』
『あぁ…手か、』
カラ松兄ちゃんは呆れた様に
首を横に振った。
『駄目だ。』
迷いなく吐き出された言葉。
悲しくて…悲しくて
情けないほど涙が溢れた。
『ぅ、く…お兄ちゃぁん…。』
『お前には…兄が何人いると思う
俺の名前を呼ぶんだ、莉瑠。』
『か、ら…まつ兄ちゃ…』
『………なんだ、』
膝の裏にかけていた手を離し
そっと私の頬へと手を触れた。
すり…と優しく撫でる手が優しくて
思わずその手にすり寄った。
『ん、ぅ…。』
『俺に、何して欲しい…?』
カラ松兄ちゃんは私を見つめて
柔らかく微笑んだ。
(知ってる…私、知ってる。)
『言ってみろ。』
(大好きなカラ松兄ちゃん…だ。)
『カラ松兄ちゃ…ん、』
『あぁ…。』
『解いて…逃げない、から…
カラ松兄ちゃんと、くっつきたい。』
ぼろぼろと流れる涙を
カラ松兄ちゃんの舌が拭う。
『……まったく、
いつから甘え上手になったんだ。』
力なく微笑むその表情に
思わず私も不器用ながらに微笑んだ。
溺れる海に身を任せるように。
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