第2章 再開のスターティングブロック!!
「で?なんでわざわざ迎えに来たんだよ?」
「だってハル、昨日の始業式来なかったからさ。」
「休むって電話した。」
「じゃぁ、新しいクラスのこと聞いた?」
遙が無言で返すということは水沙音は伝えていないのだろう。真琴は怒りもせずに昨日の出来事を伝えた。
「ハルとはまた同じクラスだよ。水沙音も。今度は一組。担任は新任の女の先生で、初日から早速あだ名がついててさ、古文担当なんだけど…」
楽しそうに話す真琴を見事に無視して遙の視線は海へと移った。考えることはただ一つだけ。
「(早く暖かくなって海で泳ぎたい。)」
真琴と水沙音はそんな遙の横顔を見て意地悪そうに言った。
「早く暖かくなって。」
「泳げるといいね。」
幼馴染の二人にはどうやら遙の考えてることは筒抜けのようだ。
水沙音は真琴と目を合わせると肩をすくめて笑った。