第2章 再開のスターティングブロック!!
「お前等、どういうつもりだ!」
「凛!」
凛は目線を下に移し、水沙音の手を掴むとプールから出るのに手を貸した。
助けられながらも水から出て、びしょびしょになった制服を手で絞る。
「大丈夫か?」
「うん…ありがと…」
そう弱弱しく答えた水沙音の顔は夜の暗闇でも少し青白くなっているのが見えた。
「僕達、凛ちゃんに会いに…」
「帰れ!!」
「凛ちゃん…」
険しい表情をする凛の前に、遥が水から顔をあげる。
「フリー…」
「は?…」
「言っただろ。俺はフリーしか泳がないって。」
「ハルちゃん…?」
水から上がると、遥はこういった。
「あの時の景色。もう一度見せてくれ。何が見えたか忘れちまったから。」
その言葉を聞いた瞬間、凛の顔が一瞬だけ悲しく見えたが次の瞬間には攻撃的な凛がいた。
「…あぁ、見せてやるよ。ただし、あの時と同じ景色じゃねぇ。もっと違う景色だ!」