第2章 再開のスターティングブロック!!
帽子を取った凛の顔は少し複雑な表情をしていた。困ったような寂しそうな表情。そんなことは微塵も考えずに、渚は飛び上がり凛の手をつかむ。
「オーストラリアから帰ってきてたんだ!」
「でも、どうしてここに。」
「きっと、これって運命だよ!目に見えない不思議な力が今夜この時間この場所に僕達を…」
「ハル!」
早口でまくし立てる渚を無視して名前を呼ぶ。その顔は先ほどとは打って変わって、攻撃的な目をしていた。
「お前まだこいつらとつるんでいたのか?…進歩しねぇな。」
「え…」
「何言ってるの?凛。」
困惑する二人の後ろから、遥も静かに言葉を返す。
「そういうお前はどうなんだ。少しは進歩したのか?」
「ハル?」
「ちょうどいい。確かめてみるか?勝負しようぜハル。」
さっさと歩きだした凛。いきなりの展開に置いて行かれそうになる。
「勝負って…ハル!」
遥もまた凛の後に続く。
その背中をただ見つめる残され三人組。
「僕達置いてけぼり?」
「見たい…」
そして、三人もまた走り出した。