第2章 再開のスターティングブロック!!
懐かしい廊下を歩きドアを開けるとそこはロッカールーム。ピンクに塗られたロッカーが並び、イルカやカニなどの絵も描かれている。
「わぁ…懐かしい。」
「中は思ったより荒れてないね。」
さらに進むと、まばらになったベンチだけが置かれている部屋にたどり着いた。
「ここは…」
「休憩室だ。」
渚の質問に真琴が答える。
渚は何かを見つけたのか駆け足で向かいの壁へと寄ると、声をあげて手招きをした。
「早く早く!…見て見て!」
壁には写真が綺麗に飾られていた。渚がその一つを指さし、視線がそこに集まる。そこには、幼い遥、真琴、渚、そして凛の姿が映っていた。
「これ、僕達がリレーで優勝した時の写真!」
「懐かしい…」
水沙音は思わず零した。その時取ったトロフィーを凛はタイムカプセルとして埋め、そして今、それを掘り起こそうとしている。