第2章 再開のスターティングブロック!!
「えぇ!!」
瞬間渚の悲痛な叫びがこだまする。
「何で何で?!高校に入ったらまたハルちゃんと一緒に泳げるのを楽しみにしてたのに。」
「いつまでも子供じゃないし、小学校のころ見たいにはいかないんだよ。」
「ハルちゃん…」
「まぁ、でも競泳はしないっってだけで水は好きだよ。ハルは水無しでは生きていけないから。夏は海で泳ぐし、今日だって朝から風呂場で水につかってたしね。」
「そうそう。ハルちゃんが水を嫌いになったら私ハルちゃんを病院に連れていくかもしれない。」
真琴と水沙音の弁解に渚は疑問をぶつける。
「それって水泳と関係なくない?ただのお風呂好きじゃぁ…?あ!だったら温泉部とかいいんじゃないかな!作ろうよ温泉部!!」
「湯あたりするからヤダ。」
突拍子もないことを考え出しては必死にせがむだだっ子気質の渚。今だって温泉部という訳の分からない部活に対して遙の肩をゆすぶっている。
真琴はその様子を見ていつもよりも優しい顔になった。
「(渚はほんと変わらないな…)」
思わず笑うと水沙音が不思議そうな顔をして真琴を見上げた。
「どうしたの?」
「なんでもない。」
怪訝な顔をしている水沙音をよそにふと、目にとまった人物がいた。何処かで見たことのある長い赤い髪。
その少女も真琴達の存在に気付いたのか、何故か軽くお辞儀をした。