第2章 幸せな微睡み(歌仙兼定)※
薄い障子で隔てられた部屋に、淫らな水音が響く。
いつもとは違う、少し強引な行為。
「んぁっ、そこばっか…いやぁ」
既に一度指でイカせられたのに、執拗に弱い部分ばかりを責め続けてくるから、流石に逃げ腰になる。
「へぇ。本当にそうかな」
そう言って同じ所をぐりぐりと強めに刺激されると、身体が跳ねて中の指をぎゅうと締め付ける。
「ほら、わかるかい?ココは悦んでるみたいだよ」
「…ば、ばかっ!変態っ!」
「そんなに顔を赤くして…直接的な表現を命じたのは主だろう?」
「違っ…んっ」
二度目の絶頂が近付いてきて、頭がぼやける。
「やぁ、もぉやだっ…ダメっ、お願い」
絶え間なく襲う快楽の波に、飲み込まれる寸前。
指の動きはピタリと止まる。
「そうなのかい?それが主の本心なら、僕は従わなきゃならないね」
ギリギリまで責め立てられたところで、するりと指が引き抜かれると、快楽を教え込まれた身体にもどかしさだけが残る。
「やっ、やめない…で」
つい口を付いて出た言葉に赤面する。
「ダメと言われ従った途端にやめるななど、まったく気紛れな主だ。ほら、どうして欲しいのか言ってごらん」
今日の歌仙はなんだか意地が悪い。
「…もっと、触って」
恥ずかしさで顔から火が出そうだったが、それでも歌仙は許してくれない。
「どこを、どんな風にして欲しいの?」
耳を犯すような甘ったるい声で、私の残った理性を揺さぶる。
「私の、ナカ…ぐちゃぐちゃに、して下さい」
耐え難い羞恥に身体が震え、涙が溢れた。