第65章 背後にご注意
『ちょ、まだ誰も許可してないし!』
小竜「もう流石にさすらい疲れたよ」
『知らねぇよ…!勝手にさすらってるんでしょ!』
なんだこいつ……!
美青年だけど強引すぎるでしょ!
すると、小竜景光と名乗る男は私の買ってきた荷物を見れば笑った
小竜「随分楽しそうな本丸だね」
『別に関係ないでしょ……わっ…!』
言い返そうとすればいきなり抱き寄せられ、そのまま強く抱きしめられた
『ちょっ……!離し……っ!』
小竜「会いたかったよ…」
さっきとは違い、少し切なげな声を出す小竜を押し離すことができなかった
まぁ、ずっとさすらってれば疲れるよね…
いや、でも人を選ぶこいつが悪いよね?
こだわり多そうだし…私を見つけなければ今頃まださすらってたのかな…そう思うと何だか可愛く思えた
『……………よしよし…』
こんな子を追い出せるほど私も鬼じゃない
しかたない…我が本丸に入れてあげよう
そう思い、小竜の髪を優しく撫でてあげる
そんな様子を見ていた他の刀剣達が不満そうな顔をしていた
そして腕を清光と安定に引っ張られた
加州「ちょっと…!主は俺のなんだけど?」
安定「いや、僕のなんだけど。新入りだからって、気安く主に触れていいわけないんだからね!主に触るなら僕に許可取ってくれないと」
加州「は?何言ってんの。俺だし」
また始まった…こいつら…
いつもの言い争いにため息を吐けば、長谷部が口を挟んだ
長谷部「ほらお前ら!誰の主でもないだろう!それなら俺だって主を……」
『はいはい、皆の主だから大丈夫だよ〜。とりあえず広間に行こっか』
とりあえずその場を丸く収め、私達は広間へと向かった