第86章 山姥切問題
長谷部「主!焼き芋全て焼き終わりましたよ」
『あ、お疲れ様!焼き芋人数分足りたかな?』
皆それぞれちゃんと食べれているかなと思いながら周りを見渡しては、長谷部も同じく周りを見渡した。
長谷部「行き渡ったと思います」
『なら良かった。長谷部は食べた?』
長谷部「ええ、食べました。主こそ、しっかり食べられましたか?」
『うん!ここにもまだ残ってるし、ちゃんと食べれてるよ』
半分残った焼き芋を長谷部に見せながらちゃんと食べてるから安心してねと伝えれば、長谷部はその焼き芋をじっと見ている。
…なんで焼き芋見てるんだろう…この子。
そう思いながら首を傾げていれば、長谷部は焼き芋から私の顔を見て少し小さな笑みを浮かべた。
長谷部「それは良かったです」
それだけ言葉を発すれば再び私の持っている焼き芋をじっと見ている。
いや、なに…どうした!?
そんなに焼き芋見て…ん?欲しいのか?これは欲しがっているのか?
まだ食べ足りなかったのかな…でもさっき食べたって言ってたけど…
そう思っていれば、長谷部が口を開いた。
長谷部「主、その焼き芋って…」
『…ん?なに…?』
長谷部「口付けました…?」
「……………はい?????」
いきなり焼き芋に口をつけたかと聞かれては私は開いた口が塞がらない。
何を気になっているのかね、キミは。
気になるところおかしくない???え???主困惑だよ???
長谷部「その、焼き芋を食べたいなと思いまして…主の食べかけでいいので欲しいな…と」
『そうなの…?食べたいならいいけど…』
そんなに焼き芋が好きだったのか…長谷部。
いくらまでもあげるよ…いっぱいお食べよ…
私はそんな思いで彼に焼き芋を長谷部へ渡した。
すると、横から鯰尾がひょっこり現れてはニヤニヤしながら長谷部を見ていた。
鯰尾「主と関節キスでもしたかったんですか?」
長谷部「なっ…!!!」
鯰尾の言葉に耳まで真っ赤にする長谷部。
関節キス…?だから口をつけたか聞いてきたのか…?
そんな遠回りしなくても直接してあげるのに…あれ?これセクハラ?私セクハラ審神者?
長谷部と鯰尾が言い合いながら追いかけっこを始めれば、周りの刀もやれやれといった様子でこの日の焼き芋パーティーが無事に終了した。