第63章 ひんやりな夜
『もー、いきなり声かけてこないでよ…!』
一期「主が部屋の前でぼーっとしていたので、つい」
ぼーっとしてた訳じゃないっつーの…!
可愛い愛しい短刀ちゃんが居ないからビックリしてただけだし……
『あ、一期。短刀ちゃん達どこ行ったの?』
一期「あぁ、皆ならにっかり殿の部屋へ行っているよ」
『え、にっかり?なんでまた……』
一期「気になるなら、主も行ってみたらどうです?弟達もきっと喜びます」
…………確かに気になる……
短刀ちゃんがいる所ならばどこでも気になる…!
これは行くべき?行くべきだよね?
私の本能が行けと言っている……!!!
『ま、まぁ…様子見くらいは行ってみよっかな……』
一期「はい。私も終わる頃に弟達を迎えに行くので、それまで弟達をよろしくお願い申し上げる」
……ん?終わる頃にって何?
意味深過ぎて分からない……!!
『あのさ……終わる頃って…?』
一期「にっかり殿の部屋に行けばわかります」
『………とりあえず行ってくる』
私は一期の言葉が気になりすぎて、早歩きでにっかりの部屋へと向かった
一期「…主、泣かないことを祈っておりまする」
そんな一期の声はなまえに届かず空気に消えた