第61章 どちらさんでしょうか
あれから油揚げは鳴狐に回収してもらい、私は再び審神者部屋へと引っ込んだ
『はぁ……次仕掛けたら絶対小狐丸が引っかかるよ…だから油揚げ作戦はおしまい!』
長谷部「主。こんのすけに用があるのなら、自ら呼んで見てはいかがでしょう?」
『いやいや、絶対来ないよ……だって無断で約束も果たさずに巴を置いていったんだから……!!』
私は両手で顔を覆いながらジタバタと暴れる
そんな中、私が気付かぬうちにこんのすけが部屋に訪れていた
こんのすけ「だいぶ怒らせてしまいましたね…」
巴形「……」
『はぁ…こんのすけめ…許すまじ…!』
巴形「主…」
『今度会ったらタダじゃおかない……』
巴形の声など聞こえるはずもなく、ブツブツと独り言を呟いていれば巴形にポンポンと肩を叩かれた
巴形「主」
『?なに…?』
巴形「狐ならそこに……」
巴形の言葉に私はこんのすけがいると言う場所に視線を向けた
するとそこにはもふもふした狐がちょこんと座っていた
『…………………………』
こんのすけ「……………………」
私とこんのすけの間に沈黙が流れる
…こんのすけ、私になにか言うことはないのか…
そう心の中で訴えるものの、こんのすけは可愛いお顔でこちらを見てくるだけ…
なんだよ、この空間は……!
そんなことを思っていれば、沈黙を破ったのは長谷部だった