第59章 たまには二人きりで
不動「だから、酒が抜けただけだって」
『酒抜けただけでこんなに変わるわけない!別人だよ?ビックリだよ私は!』
不動「しかたないよ、甘酒なかったんだしさ」
不動は困ったように顔を顰めた
なんかいつもよりかっこよく見える…
はっ…!これを機に禁酒したら甘酒代も浮くし一石二鳥じゃないか…!
それにイケメン不動になるし…!
絶対飲まない方が凛々しいって…この子…!
『不動、かっこいい』
不動「え?」
『超絶かっこいい!だからこのままで居よう!こっちの方が絶対いいって!』
不動「そうかな?でも今日甘酒買いに行ってくれたんだよね?」
『あ、それ夢だから。夢!甘酒なんか買いに行ってないし、この世に甘酒ないからね、うん!』
長谷部「(主…それは無理があるような気が…)」
部屋の入口から不動達の様子を見ていた長谷部の心境は誰にも届くことは無かった
不動「かっこいいって言ってもらえるのは嬉しいけど…」
『今の方が絶対いいって…もうかっこいい!』
不動「…主が言うなら……」
不動の心が変わりそうになった瞬間、嫌な声が耳に入ってきた
燭台切「あ、主居た居た」
『……げ』
燭台切「あ、不動くん。さっき甘酒を買ってきたから台所に置いておくね?」
不動「え?甘酒買ってきたの?」
燭台切「うん、約束していたし。ね?」
光忠ぁぁぁぁあああああ!!!
なんてこった、今?今なの?
なんて間が悪いやつ……!!!
不動今のままがいいとは思わないのかね!?
え、私だけ?これって私だけなの?
不動「ありがとう!今から一杯飲んでくるよ」
甘酒があることに気づいた不動はいきなり立ち上がり、台所へと足早に去っていってしまった
『……………………はぁ…………』
長谷部「主、気を確かに……!」
燭台切「?」
不動の禁酒はまだまだ程遠いようです