第59章 たまには二人きりで
〜 燭台切side 〜
やっと今日、主と二人きりで出掛けられる
いつも主の隣には誰かがいて、二人きりになる事が難しかったし…甘酒を買い忘れてくれて良かったかも
主と二人になれるのが嬉しくて、少しワクワクしながら主が来るのを待つ
すると、そこに長谷部がやって来た
長谷部「燭台切、こんな所で何をしているんだ?」
燭台切「やぁ長谷部くん。今から買い忘れたものを買いに行くんだ」
長谷部「そうか、一人で平気か?」
燭台切「うん、問題ないよ。今日は連れも居るしね」
主と行くって事は言わないでおこう
長谷部くんは主大好きだし、一緒に行くなんて言われたら…ね?
内心そう思いながら長谷部が去るのを待っていれば、ちょっと先に小走りでかけてくる主の姿が見えた
『お待たせー!』
……間が悪いよ、なまえちゃん……
僕は思わず額に手を添えため息を吐いた
長谷部「あ、主!廊下を走って怪我でもされたら……!」
『大丈夫だよ、転んで怪我するほどヤワじゃないって!よし、じゃあ光忠行こっか!』
主は僕を見て微笑んだ
その愛らしい姿に胸がキュッとする
すると、主の言葉に疑問を覚えたのか長谷部が口を開いた
長谷部「主…もしかして、燭台切と買い物に?」
『うん、そうだよ!私が留守の間、本丸は任せたよ!』
長谷部「主、俺も……!」
『留守番、お願いね?』
長谷部「は、はい…おまかせを…」
驚いた…主なら、長谷部くんも誘ってしまうのかと思っていたけど…
誘わなかったってことは、僕の気持ちを少しは察してくれてるのかな…
そう思うと、凄く嬉しくなった