第7章 本丸を綺麗にします
『薬研…変な薬を混入してないだろうな?』
薬研「期待してるところ悪いが、それはただの風邪薬だぜ?」
にやにやしながらこちらを見てくる薬研。
『誰も期待なんてしてないわ…!!!』
ふんっと顔を逸らし、私は白い包み紙を開けた。
『うわ……粉薬か…』
まじか…
この時代だから錠剤という便利なものはないのだな…
粉薬苦いんだよね……
薬研「?…どうした?」
『いや…現世には錠剤ってゆう粒で出来た薬があってね…それだと飲みやすいんだよ~』
薬研「ほう…そいつは興味深いな。じゃあその薬、こっちに貸してみろ」
『?…錠剤にしてくれるのか!?』
私は薬の入った包み紙を薬研に渡した。
薬研「いや、俺にはまだそんな知識は無いからできんが……んっ」
『…え!?何やってんの…?』
薬研がいきなり粉薬を自分の口に入れて水を含んだ。
一体この子はなんなのだ…と見ていると…
『え、ちょっ……んんっ!!』
いきなり口移しとやらをしてきた。
私は驚いて流れ込んできた薬をゴクリと飲み干した。
薬研「ん…、これで良し」
唇を離した薬研は私を見ながら満足そうに笑った。