第50章 生憎な雨降り
『んー……じゃあ、チューしてあげよっか?……なぁんて』
不動「……………………」
…………あれ、何この間は……
そ、そんなに嫌だった!?
ごめん不動…まじごめん……
『じょ、冗談だよ!そんなに嫌がらなくても……』
無言は辛い!
泣くよ!?そんなに嫌がられたら私でも泣いちゃうよ!?
一人で勝手にショックを受けていれば、不動はじーっとこちらを見ながら口を開いた
不動「……それでいい」
『……ん?なんだって?』
不動「だから…キスしてくれれば許してやるって言ってんだよ……!」
『……………………』
え……?い!嫌じゃなかったの!?
寧ろウェルカムなの?…………まじで?
不動…なんか可愛い………なんだお前…
不動「おい、しないのかよ…。しないなら俺から…」
『待って!わかった!するから目をつぶって?』
不動「ん……ほら、早く」
そう言えば、不動は渋々目を閉じた
そして、その可愛らしいキス顔をカメラに収めたくてこっそり一枚撮った後に軽く口付けをした
『……はい、これでいい?』
不動「下手くそなキスだなぁ……まぁいいや。じゃあ、俺行くから」
それだけ言い残せば、不動は立ち上がり部屋を出ていってしまった
……下手くそなキスとか、は?
可愛いと思ったのに…可愛さがない……!
もっとこう、照れとかはないのか…!?
短刀は短刀でそれぞれ違うなぁ…やっぱり
あ、時間あるし本丸の日常でも撮りに行ってみようかな…なかなか撮れる機会ないし、政府に提出しなきゃだし!
そう思いながらカメラを首から下げて私は部屋を出た