第50章 生憎な雨降り
………………あれ?
キス…されてない…?
いつまで待っても、唇に何も触れない
その様子に、私はゆっくりと目を開いた
『ふ、不動?』
不動「…あんた、今キスされると思ったのかよ…ひっく……」
『は、はぁ…?べ、べべ別にそんなこと思ってないし……!』
不動「ふーん……その割に動揺してるけど?」
ば、バレてる……!
もうなんか最近うちの本丸の刀剣たちが無駄に触ってきたり、性行為してきたり、キスしてきたりするから……反射的に身構えちゃうんだよ!
これは私のせいじゃない…手を出してくる刀剣のせいだ……!!!
そんなことを心の中で叫べば、その様子を不動が半目でこちらを見てくる
不動「なぁ、俺あんたに用事があってきたんだけどさぁ」
『へ?用事?何かな?用事だけなら顔近付ける必要も、肩を掴んでくる必要もないと思うんだけど…?』
私は、不動に肩をがっちり掴まれて目の前に不動の顔がある
用事があるだけならば、この距離感はすごくおかしいと思うんだよね…!
すると、不動は私の肩をユサユサ揺らしながら口を開いた
不動「あんたさっき買い物行ってきたんだろ?俺の甘酒買ってきてくれたんだろうなぁ?」
…………あ。
そういえば甘酒無かったんだよね…そろそろ
買い忘れてしまった…!
あれ、他の皆が買ってくれたかな?
買い物したの私じゃないからわからねぇぇえ!