第50章 生憎な雨降り
身支度を整えた浦島と色々ゆっくりと話していれば、いきなり部屋の襖が勢いよく開いた
そちらに目線を移せば、そこに立っていたのは不動だった
不動「おい、あんた…」
『へ?どうしたの…?』
不動が部屋をわざわざ訪ねてくるなんて珍しい…なんて思いながら不動を見れば、それはそれは不機嫌そうで……
って、なんで怒ってんの…!?
私何もしてないよね?不動と話してないよね?
いきなりキレられる意味が分からないんだけど!?
すると、不動は私の近くに来れば肩を掴んできた
不動「………………」
『…………………………』
……え?何この気まずさ……
無言!?肩を掴まれて無言でガン見される……それなら何か文句言われた方がマシだよ!
そう思いながら私は浦島に目で助けを求めた
それに気付いた浦島はハッとしたように立ち上がった
浦島「じゃああるじさん、俺行くから!」
そう告げて、浦島は部屋を出ていってしまった
『……………………』
いやいやいやいやいや!
なんで行っちゃったのあの子!?
おかしくない?助けてって訴えたはずなのに…!
この状況で2人きりはキツイよ…!
不動「なぁ…」
不動の声に私はハッとして顔を上げた
すると、ゆっくり不動の顔が近づいてきた
『へ?ちょ、ちょっと待っ……!』
私はキスされるのではと思い目をきゅっと閉じた