第50章 生憎な雨降り
〜 自室 〜
『へっくしょん……!!あぁ、寒い…もっと早く着替えればよかった…』
部屋に着けば、私は箪笥を漁り着替えを出した
そして濡れた服を脱ぎ捨てれば部屋の襖が急に開いた
大和守「主ー、ちょっといい……って……あ」
着替えてる最中に部屋に入ってきたのは安定だった
安定は私の姿を見てフリーズし、顔を真っ赤にさせた
『……あ、ごめん。雨に濡れたから着替えてた…!』
大和守「あ、いや……良いけど…」
『すぐ終わるから部屋の外で待ってて!』
そう伝えれば、私は背を向けて雨で濡れた身体を軽く拭いていれば何故か痛いくらいの視線を感じた
そしてゆっくり振り返ってみれば、安定がこちらをガン見していた
『……安定』
大和守「えっ!?あ、ご、ごめん…つい…」
私が名前を呼べば慌てたように目を逸らした安定
未だに顔は真っ赤だった
って……ついって何!?
すっごいガン見だったけど…!?
それに部屋の外に出ないし…安定もスケベだな
そう思いながらも、私は服を羽織ろうとすればいきなり安定が変なことを言い出した
大和守「あの……主…、着替え……手伝おうか…?」
『…はい?いや、大丈夫だよ、もう着替え終わるし』
照れながら言ってくる安定がすごく可愛く見えてしまう
でも着替えを手伝ってもらうほどじゃないし、それに何されるか分からないし!
此処は断っておくに限るな…うん
そんなことを考えていれば、安定が私の近くに寄ってきた
大和守「主、濡れたの?」
『へ?あ、うん……さっきまで買い物行ってたから!』
大和守「じゃ、じゃあさ…!僕が温めてあげる…」
そう言って、安定は私をぎゅっと抱きしめてきた
その顔は赤くて少し恥ずかしそうな安定が可愛くてしかたなかった