第48章 買い物のお手伝いさん
〜 信濃side 〜
大将と二人きりになれると思って一緒に部屋に来たのに、なんで部屋にいるんだよ…
しかも大将に対して積極的だし…!
たまには二人きりになりたかったなぁ…
俺は、包丁に連れて行かれる大将の背中を見ながらため息を吐いた
すると、その様子に後藤が近くに寄ってきた
後藤「お前、大将と二人きりになりたかったんだろ」
信濃「そりゃ、まぁ…」
後藤「ははっ、どんまい!大将を独り占めなんて、容易じゃないからな!」
後藤はそう言いながら、俺の肩をポンと叩けば大将の方へと行ってしまった
…………なにあれ
なんかすごく腹立つんだけど…!
あれ、ドンマイなんて思ってないよね…ざまぁみろとか思ってるんだよね、あれ
はぁ…こうなるなら大将の部屋にお邪魔すればよかったなぁ…
そんな後悔に包まれていれば、部屋に座っている大将に手招きをされた
『信濃、おいで!懐に入る約束してたでしょ!』
そう言って、笑顔で俺を呼ぶ大将
そんな大将に俺は胸の辺りがキュンとしてしまった
そんな胸をそっと抑えながら俯けば、俺を心配してくれたのか大将が近くに寄ってきた
『信濃?大丈夫?はっ……もしかして、懐に入るの嫌になったとか…!?私の懐はいつでも空いてるよ!?遠慮しなくていいんだよ!?』
何かを勘違いして一人で慌て出す大将
その姿すら可愛くて、大好きで…隔たり無く扱ってくれる大将が愛おしくて堪らなかった
大将、俺は大将の懐以外要らないんだからね