第43章 謝罪の気持ち
『わざわざありがとう、鳴狐!』
鳴狐「ん、気にしないで」
私達はあれから他愛もない話をしながら、審神者部屋へと戻ってきた
『ちょっと休んでいく?せっかくだし』
部屋まで送ってもらって追い返すのも…なんか悪いし…。
そんな事を考えながら座布団を敷いてあげる
すると、鳴狐は座布団を暫くガン見した後に、ちょこんと腰を下ろして座った
お付の狐「いやいや、鳴狐が人の部屋に立ち寄るなど珍しいほどです!」
鳴狐「…………主だから」
待って、鳴狐がデレ気だよ
主だから寄ってくれたの?
なにそれ、萌えるよ…私……!
鳴狐を見ながら私はゆっくり座った
『鳴狐…出会った時より話してくれるようになったよね?嬉しいよ、私は!』
鳴狐「主の事は、信用してるから」
お付の狐「鳴狐の口から、信用の言葉が出るなんて…わたくしめはとても感動しております…!!!」
『私も感動してるよ、すっっごくね』
あの鳴狐……私に懐いてくれてるなんて…こんな嬉しいことはない!
私は鳴狐に抱きつきたい衝動を抑えていれば、鳴狐に声をかけられた
鳴狐「ねえ」
『ん?どうしたの?』
鳴狐「…色々あるけど、いなくならないでね。主がいなくなったら…きっとまた、ブラック本丸になると思うから」
表情の読み取れないその仮面の下はどんな表情をしているのだろう…
少し寂しそうな、そして不安そうな鳴狐の声に私は鳴狐を優しく抱きしめた