第40章 頼る事も時には大切
『あ、行っちゃった』
ごめんね、大典太……
そりゃ仲間に見られたら恥ずかしさ半端ないよね…
そんなことを考えていば、鶴丸が私の前に座った
鶴丸「主…俺にもぎゅーっとしてくれ!大典太ばかりずるいからな!」
『うん、とりあえずそのヒゲメガネをどうにかしようか』
ヒゲメガネを付けたままの鶴丸が目の前に座ってて、私はどうしたらいいか分からない
どんなリアクションをすればいいの、これ
私の言葉に鶴丸はヒゲメガネを外して両手を広げてきた
鶴丸「主」
両手を広げながらじっと待っている鶴丸は、まるで子供のようだった
私はそんな鶴丸をぎゅっと抱きしめた
『はいはい、よしよし』
鶴丸「やっぱり主に抱きしめられると幸せな気分になれるな!」
『そう?まぁ、鶴丸が幸せなら良いけどね』
嬉しそうに笑いながら私を抱きしめ返す鶴丸
その無邪気な雰囲気に私まで笑みが零れた
すると、鶴丸は唇を私の耳に寄せて低い声でぼそりと呟いた
鶴丸「なぁ、なまえ…」
『!』
いきなり名前を呼ばれたと思えば、心臓がドクンと嫌な音を立てた
これはトキメキの感じではない
味わったことのない胸のざわめきに、私は鶴丸を押し返した