第35章 怖い夢の正体
あれから、満足するまで一期の腕の中で泣いた
暫くしてだいぶ落ち着けば、一期から少し離れて顔を見る
『一期…ごめん、涙で服濡らしちゃった……』
ずっと抱きついたまま泣いていたせいで、一期の服が少し濡れてしまっていた
すると、一期は優しく笑った
一期「お気になさらずに。泣きたい時は、いつでも胸を貸しますぞ」
そう言って頭を撫でてくれる一期
本当にお兄ちゃんらしい…
こんな優しいお兄ちゃんが居たら、短刀ちゃん達もきっと心強いんだろうな…
そんなことを考えれば自然と笑みが零れた
『ふふ…』
一期「?どうなされました?」
『いや、一期が短刀ちゃん達に好かれる理由が何となくわかるなぁって思って。優しくて包容力あって…そばに居るだけで安心できる、みたいな』
一期「主にそう思われているなんての嬉しいですな。主も小さくて、私から見たら妹のようなものですが…それと同時に、一人の女性としても…見てしまっている自分が居ます…」
『えっ…一人の女性って……』
私はその言葉に頬を赤らめた
そんな一期は私の頭を優しく撫でる
そしてその手が頬へ降りて来れば優しく頬を撫でられ、涙で赤くなった目元に優しくキスをされた
『ん…一期、くすぐったい……』
一期「すみません…。少しだけ…キス、させて頂いてもいいですか?」
『へ?』
私は一期の言葉にキョトンとしてしまった
そして返事をする間も無く、一期に抱き寄せられ後頭部を支えられれば優しく唇にキスをされた