第35章 怖い夢の正体
一期「主に、そんな事が……」
『……地獄だった…学校に行ってもイジメられて居場所ないし、家に帰ってくれば怒られるか暴力振るわれるか……こんな私なんて、この世界から消えちゃえばいいのにって…何度も思ったの。生きるのが怖かった…。だからね、ここの本丸に来た時…人間に怯える皆を見て、あぁ…私と似てるなって感じたんだ。だから、どうしても救ってあげたかった…皆の事』
一期「……主っ……」
私の言葉に、一期は目に薄ら涙を浮かべていた
そして、一期は私をぎゅっと強く抱き締めてきた
『……一期?』
一期「主…、私達は、主に救っていただきました……それなのに…私達は、主を苦しみから救ってあげられなかった…本当に力不足です……すみません…」
そう言いながら、私の首筋に顔を埋めてくる一期の頭を優しく撫でた
『何言ってるの…私は、皆に救ってもらったんだよ…。私、ここの本丸に来なかったら…生きる希望もなかったと思う。この本丸に居させてくれて、本当にありがとう…皆のおかげで、毎日楽しいもん……』
一期の優しい言葉に、私は涙が止まらなくなってしまった
顔を隠すように一期の肩に顔を埋めれば、一期は優しく頭を撫でてくれた
一期「主…私達も、主のおかげで楽しく過ごせてます…もうこの本丸には主しか要りません…。ですから、辛いことがあるなら…私達にも分けてください…。私達の辛さも、主の大きな愛で拭ってくれました…だから…今度は私達が主の辛さを拭います…」
『……ぐすっ…いちごっ…ありがとっ…』
こんなに優しくされたり、愛されたりなんて今までなかったせいか、涙が止まらなかった
そして、一期の肩を私は涙で濡らした