第35章 怖い夢の正体
『はぁ……』
廊下を歩き庭付近に来れば、縁側に腰を下ろした
そして空を見上げれば満月が綺麗に照っていた
『今日は月が綺麗だなぁ…』
こうして月を見たのはいつぶりだろうか
ここに来て間もない頃、縁側で三日月に出会ったんだっけ…懐かしいなぁ
あの時は鯰尾に夜這いされて寝付けなかったんだっけ
『ふふっ……』
思い出せばつい笑みが零れる
最近は不安だらけで、味方もいなかったけど…今は皆私を受け入れてくれている
それがすごく嬉しいし、幸せだ
夢も希望もない、ただのニートだった私が…給料が良いからという理由で始めた審神者
色々あったけど、何とか安定してきてるかな…最近は
楽しいことも、辛いことも、大変なこともたくさんあったけど…今ではいい思い出の一つだなぁ…
でも、何でかな……幸せなはずなのに…過去の嫌な夢を見てしまう…
苦しい…、もう見たくない……
『なんで……どうして今だに見るの…。もう許してよ…』
私は俯きながら、自分の胸を押さえた
もう苦しみたくない…そう思った瞬間、足音が聞こえたと思えば誰かに声をかけられた
一期「…主?」
『!……一期?』
振り返れば、そこには一期が立っていた