第35章 怖い夢の正体
『…鶴丸って、キスできるんだね』
鶴丸「まぁな。前任に散々……いや、何でもない」
鶴丸は誤魔化すように私を強く抱き締めた
鶴丸の言いかけた言葉には重くて辛い事が沢山詰まっているのだと理解するには時間がかからなかった
そんな鶴丸を抱き返し背中を撫でてあげる
『よしよし……ごめんね、嫌なこと思い出させちゃって…』
鶴丸「いや…。……主も知っているとは思うが、俺も前任に性的な面で色々されたり、させられたりしたんだ……。でも、こんなことを主に話して…軽蔑されたらと思ったら……話すのが怖くなった…」
よほど、不安で心配だったのか、抱きついてくる鶴丸の身体は少しばかり震えていた
そんな鶴丸の髪を優しく撫でる
『軽蔑なんかする訳ないよ。寧ろ…話してくれたことが嬉しい…ありがとう鶴丸。でもね、もうそんな嫌な思いも怖い思いもさせないから…不安にならないで?』
鶴丸「……あぁ、ありがとな…主。出会った当時は、掴みかかったりして悪かったと思ってる…でも今は、かけがえの無い存在だぞ…キミは」
『そう思ってもらえるのは嬉しいな…ありがとう鶴丸。大好きだよ』
鶴丸をぎゅっと抱きしめながら、髪を撫でていれば、いきなり鶴丸が腰を抱き寄せて至近距離で顔を見てきた