第32章 大慰労会

不動「主は、俺のこと…嫌いかぁ？」


私の顔を後ろから覗き込みながら尋ねてくる不動。


『えーっと、そりゃもちろん大好きだよ？』


不動「本当か…！？」


『う、うん…私にとって大切な刀だからね？』


私の言葉にすごく嬉しそうに笑みを浮かべて喜んでいる不動。
相当嬉しかったのか、更にぎゅっと抱きしめてきた。


不動「俺みたいなダメ刀を愛してくれるアンタが、俺は大好きだ…」


そう言いながら、私の肩に顔をくっつけて甘えてくる不動の頭を優しく撫でた。


『ありがとう、不動はダメ刀じゃないんだからあんまり自己否定するの禁止だからね？』


不動「ん…主がそう言うなら…やめよっかなぁ……」


『うん、やめよう。これは主命ね』


不動「りょーかい……んー、それにしても…アンタのほっぺた…柔らかそうだなぁ？」


主命を聞いてくれたと思えば、いきなり不動は私の頬をに近付きじっと見つめてきた。

な、なんだろうか……って、近い！
息がかかるくらい近いんだけど……！！


『ふ、不動……？』


不動「ちょっとくらいなら…いいよなぁ…」


そう言って、不動は頬にチュッと口付けてきた。
その様子を見ていた江雪、岩融、小夜、今剣、宗三が驚いたようにこちらをガン見していた。


『………………』


…………なに、今の…！！！
なんかドキッとした…！
いや、寧ろ唇にされるよりドキッとしたんだけど……！
あ、きっとこの初々しい感じに慣れてないからドキッとしたのかも……