第30章 久しぶりのお手入れ
燭台切「だって嬉しいからね。なまえちゃんの初めて、色んな人に取られていって……正直妬いちゃったし……、ね?」
『え?』
それってヤキモチ妬いてくれてたって事?
光忠ってお母さん感が強いし、包容力があるけど……自分の思いとか、私に話してくれたことなかったもんなぁ…。
素直に打ち明けてくれて嬉しいかも。
『光忠、ヤキモチ妬いたの?』
燭台切「うん、そうみたい。カッコ悪いよね…本当なら嫉妬なんてしないで、もっとカッコよく決めたいんだけど…なまえちゃんの前では…何故か情けない部分が出てきちゃうんだよね」
『嬉しい……』
燭台切「え?」
『すっごく嬉しいよ!光忠って、いつもにこやかで…本丸を支えるような優しくて暖かい存在で…でも今まで自分の気持ちを打ち明けてくれること無かったから、嫉妬したって本音を聞けて凄く嬉しい!』
そんな私の言葉に、光忠はキョトンとしたような表情を浮かべていたが、すぐにいつもの笑みを浮かべた。
燭台切「本当に、なまえちゃんは変わってるよね。まぁ、そうゆう所も含めて…なまえちゃんの事が好きなんだけどさ」
そう言いながら髪を優しく撫でてくれる光忠。
私は光忠のその大きな手に安心感を覚えた。