第30章 久しぶりのお手入れ
燭台切「……あれ、お邪魔だったかな…」
『……!み、光忠!』
部屋に入ってきたのは光忠だった。
キスの一部始終を見られ、私はフリーズしてしまった。
薬研「あ、燭台切の旦那。何か用事か?」
燭台切「あ、うん……ちょっとね?」
薬研?ねぇ薬研…!
何でそんな何事も無かったかのように振る舞えるのかね!?
キスしたとこ見られたんだよ?分かるかな?
もしかしてキミもKYなのかな?ん?
薬研「なら、俺はそろそろ行くぜ。じゃあ、また後でな?大将」
薬研はゆっくり立ち上がり私に一声掛けて部屋を出ていってしまった。
部屋に残された私と光忠の間には、気まずい雰囲気が流れていた。
燭台切「………………」
『………………』
き、気まずいよ……!
なんで?なんで気まずいの?
なんか浮気した時みたいなの気分なんだけど…!
いや、浮気なんてしたことないけども!
って、その前に光忠は彼氏とかじゃないし……!
そんな無言の重たい雰囲気を破ったのは光忠だった。
燭台切「…主、薬研くんが好きなのかい?」
『へ?な、なんで?』
燭台切「だって、さっきキスしてt…」
『わぁーわぁーわぁー!!言わないで!!』
私は光忠の言葉を慌てて遮った。
ゆっくりと光忠を見れば、いつも穏やかオーラ満載の光忠の様子が違かった。