第29章 帰ろう、本丸に
包丁「へへ、いつもの主だ!」
泣いてる私に包丁はいつもの様に笑顔を見せてくれた。
その笑顔にほっとして私まで笑顔になってしまう
『包丁も皆も、本当にありがとう…』
私は涙を拭い、包丁に釣られて笑みを浮かべた。
すると皆も同じく笑顔になった。
髭切「やっぱり、主は笑顔が似合うね」
膝丸「あぁ、そうだな」
『そうゆう皆も、笑顔が一番似合うよ?』
明石「主無くして、この笑顔は出ませんわ。笑顔の原因は主なんです。だから、主はずっと笑っててください」
愛染「主が泣いてたら俺達も悲しいしな!」
蛍丸「だから、主は泣かないで笑って?主が笑うだけで、俺達は幸せだから」
『皆……ありがとう…また涙出そうだから…やめて』
泣かないつもりが、皆の言葉でまた泣きそうになってしまう。
これは悲しい涙ではなく嬉し涙。
太鼓鐘「次泣いたら、俺がチューしちゃうぜ!」
『いいよ?ほら、ちゅー』
私が唇を尖らせながら貞ちゃんに近寄れば、貞ちゃんは顔を赤くして焦ったように顔を逸らした。
太鼓鐘「ふ、普通嫌がるだろ…!!」
『だって嫌じゃないし』
鶴丸「なら主!俺とキスしないか?」
『……落とし穴に落としてやろう』
鶴丸「こ、この扱いの違いはなんだ……!!!」
先程までしんみりした雰囲気から、だんだんいつもの雰囲気に戻り和やかになった。
やっぱり、私はこの本丸が大好きです。