第29章 帰ろう、本丸に
あれから数十分後、一期は短刀達を連れて広間へと戻ってきた。
一期「主は……」
小狐丸「…帰ってません」
小狐丸の言葉に一期は一層暗い表情になった。
短刀達も一期から話を聞いたのか、とても悲しそうな顔をしていた。
再び、帰りを待つ時間が流れる。
不安が大きく、時間の流れが凄く遅く感じていた。
すると、いきなり閉まっていた広間の襖がスパンと開いた。
ビックリし全員が襖の方を見れば知らない人物に抱かれ眠っているなまえの姿があった。
山姥切「……!」
包丁「主だ……!!!」
長谷部「主!ご無事で……!」
小夜「主……」
今剣「あるじさま!」
なまえの姿を見た刀剣た男子は、皆嬉しそうに近寄ってきた。
短刀達はボロボロと涙を流していた。
小烏丸「主は、眠っているだけだから安心するといい」
そう言って小烏丸はなまえを座布団へとゆっくり寝かせた。
和泉守「良かったぜ…本当に」
加州「主……主…良かった…本当に良かった…」
ほっとしたのか、皆の目からも一筋の涙が流れた。
その様子に小烏丸は微笑んだ。
小烏丸「主が心配していた。お前達に嫌われてしまったのではないかと…な。だから、主が目を覚ましたら安心させてやるといい」
小烏丸はなまえの髪を優しく撫でれば、催眠を解くかのように指を鳴らした。